中央公会堂

ちゅうおうこうかいどう
赤レンガの壁に青銅のドーム屋根が美しい

投稿日:2013/01/22 更新日:

中央公会堂

中央公会堂大阪市中央公会堂は、大正2年春に着工し、述べ18万4千人の職人と5年の歳月を経て大正7年10月に完成した。

構造は鉄骨煉瓦造で、地上3階、地下1階建、敷地面積5,641m2、建築面積2,164m2、延床面積8,425m2の規模をもつ、ネオ・ルネサンス様式の建物である。各部屋の意匠、ステンドグラス、シャンデリア、さらには階段や扉のデザインにまで建築の粋を集めた中央公会堂は、建設以来、講演、集会、コンサートや演劇など、著名人から市民レベルまでの様々な催しに利用され、近代大阪の文化・社会史に深く関わってきた。

しかしながら、関東大震災以前の建物であり、地震への耐力が十分でないことが従来から指摘されていたことや、竣工19年後、昭和12年の建物内部の大改装にはじまり、その後諸設備の機能更新などのために種々の改修工事が実施されてきたものの、経年劣化によって屋根や外壁などに著しい老朽化が認められるようになり、設備面や機能性にも問題が出始めていたため、一時はこの建物の取り壊しや改築の案も議論されるようになっていた。

中央公会堂昭和40年頃からは、明治・大正期の歴史的建築物が連なる中之島東地区において、景観保存や再開発に関する議論が市の内外で高まり、中央公会堂についても建替や外壁保存案も含めた将来のあり方に関するシンポジウムなどが度々開かれるようになっていた。

このような状況の中、昭和63年、大阪市は多くの市民の要望に応えて、中央公会堂の「永久保存」を決定。その際、再生事業費の一部にと、朝日新聞社が創刊110周年記念事業の一環として、目標10億円の市民募金を呼びかけたところ、約1万3千もの市民や企業がこれに賛同し、7億円あまりの募金が集められた。(※この募金活動は赤レンガ基金と呼ばれ、賛同者の名前が刻まれたレリーフは、現在公会堂の地下1階に飾られている。)

 公会堂の保存の方向性としては、建物を保存しつつ機能を拡充し、公会堂として利用すること、耐震補強に免震構法を採用することが、まず考えられた。また、将来にわたって公会堂としてよりいっそう活用できるように整備することを基本方針とした。

中央公会堂また、今後とも長期にわたって活用していくため、防災・避難面などの安全性の確保や、空調設備の向上をはじめ、多様な用途に対応できるよう音響、照明設備の改善や舞台機構の充実などを行うこと、安全で使いやすい建物とするため、エレベーターやスロープなど、ユニバーサルデザインの観点からの整備に努めることにも注力した。

 平成11年より始まった大阪市中央公会堂の保存・再生工事は、歴史的建造物としての保存と、創建当時への復元改修に加え、古い建築物に高い耐震性能を蘇らせる「免震レトロフィット構法」を採用するなど大掛かりなものとなった。また、内部には創建当時の構造や調度品が残され、改修工事にも公会堂に愛着を持った人々が携わっていたことを教えてくれる。

中央公会堂こうして平成14年に完成し、美しく蘇った大阪市中央公会堂は、中之島の景観に欠かせない美しい外観と内部意匠が、歴史的建築物として極めて需要であるとの評価を受け、同年12月、公会堂建築物として西日本で始めて、国の重要文化財にも指定されている。

多くの人々に支えられてきた中央公会堂は、これからも「大阪のシンボル」として、人々を魅了し、受け継がれていくことだろう。

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ホームページ
http://osaka-chuokokaido.jp
所在地
大阪市北区中之島1丁目1番27号
交通機関
●地下鉄御堂筋線/京阪電鉄 「淀屋橋」駅下車
 <1>番出口から徒歩約5分
●地下鉄堺筋線/京阪電鉄 「北浜」駅下車
 <22>号出口から徒歩約6分
●京阪電鉄中之島線 「なにわ橋」駅下車
 <1>番出口から徒歩約1分
施設情報
名称:大阪市中央公会堂
住所:大阪市北区中之島1丁目1番27号
TEL:06-6208-2002
URL:http://osaka-chuokokaido.jp
開館時間:9:30~21:30(予約受付時間は9:30~21:30まで)
休館日:
毎月第4火曜日(祝日の場合は直後の平日)
および、12月28日から翌年1月4日
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