大阪歴史博物館では、「金曜歴史講座」が開催されます。
金曜歴史講座とは、(公財)大阪市博物館協会 大阪文化財研究所とともに行う普及啓発事業として、大阪の歴史や文化財の最新情報をお届けする連続講座です。
●第172回 8月31日(金)
【「古都」大阪の起源-古墳時代における上町台地と奈良盆地の都市化の比較】
南 秀雄 大阪文化財研究所学芸員
大阪は、難波宮以前の6世紀後葉に都市の面貌を見せ、現代までその命脈をつないだ古都です。一方、王宮などの政治的拠点があった奈良盆地、外交・交易拠点であった博多湾岸にも都市化の動きがありました。纏向遺跡などを擁する奈良盆地と上町台地の初期段階の都市化を比較します。
●第173回 9月7日(金)
【大坂城下町成立の前夜~中世の町とムラ~】
小田木 富慈美 大阪文化財研究所学芸員
豊臣政権による開発で誕生し、江戸時代には「天下の台所」にまで発展した大坂城下町。その成立の背景には、中世以前からある町やムラと、これを取り巻く上町台地西側の地形が大きく関わっています。城下町前夜の大坂に、発掘調査と地形復元の成果から迫っていきます。
●第174回 10月5日(金)
【梅田墓を掘る】
岡村 勝行 大阪文化財研究所学芸員
昨年「うめきた」で行った発掘調査で、江戸~明治時代の墓地「梅田墓」が確認されました。200体を超える土葬人骨、焼骨をおさめた骨壷や大型土壙、墓石など数々の発見がありました。大坂七墓の一つで、近松作品にもたびたび取り上げられた墓地の実態に迫りたいと思います。
●第175回 10月12日(金)
【マジョリカ陶器の栄枯盛衰物語】
松本 啓子 大阪文化財研究所学芸員
イタリアで発展したマジョリカは、修道院などの注文を受けて16世紀に高級陶器となりますが、高級すぎて売れなくなり、宗教改革もあって、新販路を求めて拡散します。大坂出土品の出自を探る中で得た情報から、マジョリカが歴史に翻弄されながらどのように拡がったのかを考えます。
●第176回 10月19日(金)
【岩手の景色と黒ボク土層-3.11震災復興にかかわる発掘調査に参加して-】
趙 哲済 大阪文化財研究所学芸員
東日本大震災から7年余りが過ぎました。震災復興事業の一環として岩手県の発掘調査に参加した経験のなかから、縄文遺跡の宝庫である北東北の景色と、火山灰と縄文文化が織りなす特異な土壌・黒ボク土層について紹介します。
※演題・内容等は、予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
参加費:無料
定員:250名(当日先着順)
主催:
(公財) 大阪市博物館協会 大阪文化財研究所
大阪歴史博物館
問合せ先:(公財)大阪市博物館協会 大阪文化財研究所「金曜歴史講座」係
TEL06-6943-6833