高島屋史料館 企画展示室では、「特別展示 没後100年 富岡鉄斎「贈君百扇(そうくんひゃくせん)」 ー君に百扇を贈るー」が開催されます。
「最後の文人画家」といわれる富岡鉄斎は、1836(天保7)年、京都に生まれました。「文人」とは学問に携わり詩文書画をよくする人、「文人画」(南画)とは文人が余技として制作する書画のことです。学問と画業を独学した鉄斎は、1924(大正13)年に89歳で没するまで、数多くの独創的な書画を残しました。本年は鉄斎没後100年にあたります。
1909(明治42)年、鉄斎は、高島屋が京都・大阪・東京各店で開催した「現代名家百幅画会」へ、《龝景山水》を出品しました。これは当時、画壇とは一線を画していた鉄斎が、世に知られる大きな契機となりました。その2年後に美術部を創設した高島屋では、1913(大正2)年に初めて鉄斎の個展を開催します。高島屋美術部主催の展覧会には、鉄斎が自由自在に筆を揮った新作が並び、鉄斎人気は全国に広がっていきました。晩年の個展は高島屋のみで開催、記念画集も制作したので、世間では「高島屋の鉄斎」といわれたほどでした。
高島屋史料館には鉄斎ゆかりの作品が伝わっています。「贈君百扇」は、鉄斎が長い歳月をかけて友人へ贈り続けた100握の扇です。鉄斎が感興の赴くまま楽しんで描いた山水、花鳥、人物…本展では百扇すべてを展観します。巨匠 鉄斎が扇面に描いた100の物語をお楽しみください。
●主な展示作品(すべて高島屋史料館蔵)
富岡鉄斎「贈君百扇」/富岡鉄斎書簡/富岡鉄斎画集(高島屋美術部発行)
会期中の毎週土曜日14:00〜(約30分)
(大阪市浪速区日本橋3-5-25 高島屋東別館3階)
●近鉄・阪神「大阪難波駅」
●近鉄・大阪メトロ「日本橋駅」
休館日:火・水曜日
料金:入館無料