大阪歴史博物館では平成24年12月19日(水)から平成25年2月11日(月・祝)まで、常設展示場7階において、今年新たに発見した穐山竹林斎(あきやまちくりんさい)作「龍自在置物(りゅうじざいおきもの)」を初公開します。
近代大阪の彫刻家・穐山竹林斎の創意により作られた、生き物のように自在に動くツゲ製の「龍自在置物」は大変細密精緻な作品ですが、制作に長い歳月を要するため数点しか作られておらず、これまで当館所蔵品と京都・清水三年坂美術館所蔵品の2作品しか現存が確認されていませんでした。このほど、堺市の井上軸受工業株式会社に竹林斎作の龍自在置物が所蔵されていることが確認され、大阪狭山市に寄贈されることとなりました。当館では、井上軸受工業株式会社ならびに大阪狭山市のご厚意により、新発見の龍自在置物を初めて公開します。それにあわせて、当館所蔵の龍自在置物も展示します。
新発見の龍自在置物は当館所蔵品(大正12年、1923年制作)の5年後にあたる昭和3年(1928)に作られましたが、当館所蔵品に比べてあごが大ぶりで舌が長く伸びるところや、髭(ひげ)に塗りを施さないところなどに違いがあり、竹林斎なりに改良を加えた痕跡が認められます。制作時期から考えて、昭和4年(1929)に第5回大阪府工芸展覧会第1部に「白龍置物」の作品名で出品し入選した品であると考えられます。
今回の展示は、新発見の龍自在置物の初公開であるとともに、2体の龍自在置物を比較して鑑賞できるまたとない機会です。
龍自在置物 穐山竹林斎作 大正12年(1923) 大阪歴史博物館蔵(西條敏弘氏寄贈)
休館日 毎週火曜日、12月28日~1月4日
観覧料 常設展示観覧料でご覧になれます。
大人 600円(540円)
高大生 400円(360円)
※( )内は、20名以上の団体割引料金。
※中学生以下、大阪市内在住の65歳以上の方(要証明証提示)、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料。