大阪歴史博物館では、平成26年7月16日(水曜日)から9月1日(月曜日)まで、8階特集展示室において、特集展示「河内平野の弥生王墓」を開催します。
加美遺跡は平野区加美東一帯にある弥生時代から奈良時代にかけての遺跡です。昭和59年(1984)に加美東6丁目で行った調査で、地下約3.5メートル のところから弥生時代中期の2基の墳丘墓(Y-1号墓・Y-2号墓)が見つかりました。そのうちY-1号墓は、墳丘裾部で南北26メートル、東西15メー トル、高さ3メートルと規模が大きく、墳頂部から23基の埋葬が見つかりました。
墳丘のほぼ中央に位置する5号木棺はこの墳丘墓の中心と なる埋葬であり、板材を2枚重ねた荘重な作りの木棺を用いていました。その北側には着装品を持つ埋葬があり、2号木棺からは円環型銅釧(えんかんがたどう くしろ)1点とガラス平玉1点、14号木棺からは円環型銅釧1点、1号木棺からはガラス勾玉(まがたま)1点と丸玉(まるだま)1点が出土しました。中で も円環型銅釧は北部九州や対馬、朝鮮半島に分布する型式の銅釧であり、加美遺跡の被葬者が西日本から東アジアに広がる交流ネットワークと関わりを持ってい たことがうかがえます。
加美遺跡Y-1号墓は、墳丘規模が河内平野最大であり、当時貴重であったガラスや銅で作られた着装品を持つ人物が 埋葬されていたことなどから、河内平野の諸集落を指導する立場(「王」)にあった有力家族の墓とみられます。この墳墓から出土した資料をまとめて展示する ことで、弥生時代の首長と社会の様相について紹介します。
●主な資料
・Y-1号墓から出土した土器 弥生時代中期 大阪市教育委員会蔵 大阪市指定文化財
・Y-1号墓1号木棺出土のガラス勾玉と丸玉 弥生時代中期 大阪市教育委員会蔵 大阪市指定文化財
・銅釧とガラス平玉(1・3:Y-1号墓2号木棺、2:同14号木棺) 弥生時代中期 大阪市教育委員会蔵 大阪市指定文化財
観覧料:
大人 600円、高校生・大学生400円
※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明証提示)の方、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
開館時間:9時30分~17時まで(金曜日は20時まで)
※入館は閉館の30分前まで
問合せ先:大阪歴史博物館 06-6946-5728