茶の湯について書かれた本を茶書といいます。千利休は「不立文字」、茶の湯の心は文字で伝えることはできないと考えました。しかし、利休が没してから時が経ち、茶の湯人口が増加するのに合わせ、茶の湯に関わる事柄が書き綴られ、茶書は広く人々の目に触れるようになります。
茶書のなかには、利休や利休に関わる人々の茶にまつわるエピソードが集められています。人々はそこから、利休以来の茶法や精神を感じ取ってきました。
利休の孫・千宗旦が語り、藤村庸軒によって書かれた『茶話指月集』は、久須美疎安によって編集・刊行されました。版行された茶の湯の逸話集の最初と言われます。また、『江岑夏書』は宗旦の三男・江岑宗左によって、随流斎宗佐のために書かれました。これらが記されたのは、利休が生きた時代からおよそ百年が経った江戸時代中期のことです。利休百年忌には、福岡藩家中の立花実山が編集に携わったと思われる、『南方録』が成立し、利休回帰への機運があったこともうかがえます。
本展では「利休ゆかりのエピソードを持つ茶道具」をテーマに約40点を展示いたします。有馬の阿弥陀堂の僧が大釜を望んだことに始まり、利休がデザインし釜師与次郎に作らせて用いたところ流行した逸話を持つ「阿弥陀堂釜」のほか、長次郎作の名物茶碗として『茶話指月集』に書かれる「長次郎作 赤茶碗 銘 再来」や、利休が所持し銘の由来が記された『江岑夏書』所載の「黄瀬戸建水 銘 大脇指」を特別展示いたします。
茶書に著された逸話から、茶道具の向こう側に利休の姿を感じていただけましたら幸いです。
ホームページ
所在地
湯木美術館(大阪市中央区平野町3-3-9)
交通機関
Osaka Metro(大阪メトロ)御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
施設情報
開館時間:10時~16時30分(入館は16時まで)
休館日:毎週月曜日、1月15日(火)[ただし1月14日(月・祝)は開館]
夜間開館日:2月1日(金)は午後7時まで開館(入館は18時30分まで)
入館料:一般700円、大学生400円、高校生300円
(一般のみ、20名以上の団体は100円引き)
問合せ先:湯木美術館
TEL 06-6203-0188、FAX 06-6203-1080
休館日:毎週月曜日、1月15日(火)[ただし1月14日(月・祝)は開館]
夜間開館日:2月1日(金)は午後7時まで開館(入館は18時30分まで)
入館料:一般700円、大学生400円、高校生300円
(一般のみ、20名以上の団体は100円引き)
問合せ先:湯木美術館
TEL 06-6203-0188、FAX 06-6203-1080