湯木美術館では、「平成31年 春季展 「きれい」寛永 × 「いき」元禄-くらべて見える江戸茶の湯文化-」が開催されています。
本展では、江戸時代におこった「寛永文化」と「元禄文化」を代表する作品約60点を取り上げ、両文化の特徴を明らかにするとともに、茶の湯文化の流れを展観いたします。
江戸時代はじめの寛永年間(1624~44)は、世の中の安定に伴って、戦国時代で途絶した文化の復興や新たな文化が創り出されました。利休の孫で千家再興につとめた千宗旦、武家の教養としての大名茶をリードした小堀遠州、武家だけでなく公家からも支持を受けた金森宗和とその指導を受けた仁清らが活躍したのはこの頃のことです。瀟洒で洗練された美意識は「きれい」と評され、当時の記録に残ります。
元禄年間(1688~1704)は、江戸幕府の政治が安定し経済活動が活発化したことで、諸芸は著しい発展を遂げます。松尾芭蕉、上島鬼貫らによる俳諧がさかんになり、上方の有力町人を中心として尾形深省の乾山焼などが人気を博しました。三千家は大名家に茶頭として仕官し基礎を固め、宗旦の門弟の藤村庸軒や杉木普斎らが千家の茶の湯の普及に尽くしました。茶の湯は武家町人問わず広がりを見せ、嗜むべき教養の一つと言われるようになります。また、1690年(元禄3)は千利休の百回忌にあたり、利休の茶聖化と利休回帰の意識が強まりました。
今展では元禄時代のにぎやかな大坂の様子を俯瞰的に描いた八曲一双の「浪華名所図屏風」(大阪市指定文化財)を特別展示いたします。併せてお楽しみください。
<会期>
2019年4月9日(火)~6月24日(月)
前期:4月 9日(火)~5月12日(日)
後期:5月15日(水)~6月24日(月)
休館日:毎週月曜日
[ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・祝)、6月24日(月)は開館]、5月7日(火)、5月14日(火)
夜間開館日:5月3日(金)、6月7日(金)は午後7時まで開館(入館は午後6時30分まで)
入館料:一般700円 大学生400円 高校生300円
問合せ先:湯木美術館 TEL06-6203-0188