大阪ガスビルディング

おおさかがすびるでぃんぐ

投稿日:2014/01/23 更新日:

大阪ガスビルディング

●御堂筋とともに誕生したガスビル
 巨大な客船を思わせる白亜のビルが御堂筋に面して建つ。設計者は安井武雄(やすいたけお)、昭和8年(1933)に竣工。地上8階建て、地下2階。外壁は1・2階を石材で黒くまとめ、上部は白色のタイル貼り。御堂筋の銀杏並木に映え、「都市建築物の極致」「街路景観にマッチしたオフィスビルの最高峰」と絶賛されている。昭和41年(1966)に安井の後継者・佐野正一(さのしょういち)の設計で北館が増築され、現在も大阪ガスの本社ビルとして使用されている。

●織田作之助と将棋とガスビル食堂
 昭和15年(1940)、『夫婦善哉』で文壇にデビューした織田作之助(おださくのすけ)は将棋好きで、ガスビルにあった学士会倶楽部の将棋会に加わるようになった。大阪文壇の第一人者・藤沢桓夫(ふじさわたけお)に連れられての参加だった。将棋会はハイカラな雰囲気のガスビル食堂で催され、モダンな酒場や本格西洋料理が当時の文化人にもてはやされた。2階のホールでは、名画の試写会やエンタツ・アチャコの漫才などが人気を呼び、文化の拠点となっていた。

●戦災を免れたのは
 昭和16年(1941)12月、太平洋戦争が起こり、屋上ネオン塔、エレベーター、エスカレーター、手摺り、窓枠などは金属供出された。昭和19年(1944)には、白亜の外壁を自社生産のコールタールで真っ黒に迷彩塗装を施し、空襲を避けた。昭和20年(1945)3月の大阪大空襲では、全館に備えていたシャッターを下ろし、7・8階の一部が焼けただけで難を免れた。

現在地からルート検索
所在地
大阪市中央区平野町4丁目1番2号
交通機関
●地下鉄御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
●地下鉄御堂筋線・中央線「本町」駅
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
1 人中 1 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
坐摩神社
坐摩神社

●坐摩(いかすり)のいわれ  神社の歴史は古い。神功(じんぐう)皇后が朝鮮半島の新羅に遠征をして帰られた折、淀川南岸の渡辺の地(現・天満橋の西方)に、生井神(いくいのかみ)福井神(さくいのかみ)綱長井 …

三木楽器開成館

●ピアノの音色が響く近代建築  日本最古の楽器店といわれている会社の本社社屋として「三木楽器開成館」は、現在も活躍している。  創業100周年にあたる大正14年(一九二五)、増田建築事務所の設計で、鴻 …

腕を上げる大きな女/アントワーヌ・ブールデル
御堂筋彫刻ストリート / 腕を上げる大きな女:E-10

 丸太のような太い腕、球形に近い小さな頭部、円筒形のしっかりした首、そしてギリシャ式の壷形の堂々たる体躯、それらが絶妙のバランスの中で一体となって、この作品を構成する。腕を頭の上で組む以外は、身体にほ …

渚/淀井敏夫
御堂筋彫刻ストリート / 渚:E-11

 淀井敏夫は、昭和の具象彫刻界の大家の1人である。彼には、動物をモチーフにした作品が多く、それらは、まるでジャコメッティ彫刻のような繊細な構成によって、生き物の命のはかなさを感じさせる。この作品は、海 …

女のトルソ/オシップ・ザツキン
御堂筋彫刻ストリート / 女のトルソ:W-9

 力強く簡潔な線とヴォリューム感。この「女のトルソ」は、平面の集まりとして再構築されたキュビスムの特徴を示しつつも、厳格なフォルムから解放された自由な表現がみられる。抽象と人間の内面表現を融合させたザ …