三津寺(改築中)

みつてら

次の言語でも読めます: English

投稿日:2017/03/10 更新日:

三津寺(改築中)

●異例の鉄筋コンクリート製
 三津寺は、奈良時代の難波宮遷都の際に、僧の行基(ぎょうき)が開いたと伝えられている。めずらしいのは寺院の台所や住居部分である庫裡(くり)だ。昭和8年(一九三三)の御堂筋拡張工事のときに新築されたものだが、寺院としては異例の鉄筋コンクリート製が話題となり、新聞にも報道された。
 なお、文化5年(一八〇八)に建てられた木造の本堂は戦災を無事免れ、庫裡ともども往時の姿をそのまま保っている。

●大阪府の近代のさきがけ
 明治12年(一八七九)4月に三津寺の本堂を仮議場として、第1回大阪府会の開会式が行われた。この府会は以後、 現在の大阪府議会へと連綿と続いていく。
 三津寺では少し手狭だったらしく、開会式後は議場を本願寺津村別院(北御堂)へと移した。「議員諸氏は人民の代表としてはずかしくないように」という意味の当時の大阪府知事の訓辞が残されている。
 だが第1回だったこともあり、宴会に終始する不真面目な議員もいたようで、宴会が豆腐屋で開かれることも多かったので、 「府会ではなくとうふ会だ」と言われたという逸話が残っている。

●「みってらさん」と大阪の人は呼ぶ
 三津寺のことを、大阪の人々は親しみをこめて「みってらさん」と呼ぶ。軽やかな呼びかけに、大阪人の心に根ざした三津寺への愛着が表れているようだ。三津寺の前を東西に通る道路は、そのまま「三津寺筋(みってらすじ)」と呼ばれている。

現在地からルート検索
ホームページ
https://mitsutera.jp/
所在地
大阪市中央区心斎橋筋2-7-12
交通機関
Osaka Metro(大阪メトロ)御堂筋線/長堀鶴見緑地線 心斎橋駅
施設情報
TEL : 06-6211-1982
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
3 人中 3 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
ダンサー/ヴェナンツォ・クロチェッティ
御堂筋彫刻ストリート / ダンサー:W-1

 胸の前で腕を組み、静かにたたずむ若い踊り子。うっすらと微笑を浮かべた口もと、横を向いて何かを見つめる優しい眼差し、細く伸びた足。この作品には、叙情がみずみずしく漂っている。ヴェナンツォ・クロチェッテ …

腕を上げる大きな女/アントワーヌ・ブールデル
御堂筋彫刻ストリート / 腕を上げる大きな女:E-10

 丸太のような太い腕、球形に近い小さな頭部、円筒形のしっかりした首、そしてギリシャ式の壷形の堂々たる体躯、それらが絶妙のバランスの中で一体となって、この作品を構成する。腕を頭の上で組む以外は、身体にほ …

啓示/日高正法
御堂筋彫刻ストリート / 啓示:W-5

 この作品は、天から落ちてくる「神の声」と、それを受けとめる人間を表現しており、作品では、直線と曲線、鋭角と穏やかなカーブ、天を指す手と地に向かう紡錘形の物体、密と粗など、背反する要素の組合せによって …

ヘクテルとアンドロマケ/ジョルジオ・デ・キリコ
御堂筋彫刻ストリート / ヘクテルとアンドロマケ:W-4(地下連絡通路設置工事に伴い「啓示:W-5」付近に仮移設中)

 ジョルジオ・デ・キリコは、形而上絵画の創始者で、後のシュールレアリスム運動にも大きな影響を与えた。彼の作品を貫くのは、卵型の頭、紡錘形の脚、螺旋になった腕をもった人体である。この作品も、そのような彼 …

みどりのリズム/清水多嘉示
御堂筋彫刻ストリート / みどりのリズム:E-1

 手を組んでダンスをする2人の少女の一瞬のポーズを捉えている。往々にしてダイナミックになりすぎそうな題材を、清水多嘉示は、感情を抑え、厳格な構成による構築的手法で、軽快なリズムに満ちた彫刻に仕上げてみ …