御霊神社

ごりょうじんじゃ

次の言語でも読めます: English, 한국어, 简体中文, 繁體中文

投稿日:2012/04/23 更新日:

御霊神社

●浪速の氏神
 創建は古く、800年代後半。大阪湾が深く入りこんで、葦が繁る円形の入り江に祀られた円(つぶら)神社に始まる。文禄3年(1594)、円江(つぶらえ・現在の西区靭)から現在地に鎮座し、江戸時代に御霊神社と改称した。船場言葉の御寮人「ごりょんさん」(商家の若奥様)と語呂が似ているところから、「御霊さん」や「御霊はん」と親しみをもって呼ばれてきた。船場という土地柄、商売の縁を結ぶ「縁結びの神様」としての信仰も篤い。

●人形浄瑠璃が華やかな時代
 18世紀後半になり、竹本・豊竹座が閉じてしまったあとは人形浄瑠璃の人気は衰えていたが、文化8年(1811)に植村文楽軒(うえむらぶんらくけん)が難波神社境内の稲荷社に進出。のちに文楽座と名乗るようになり、明治17年(1884)に御霊神社に移った。また同年、別の一派である彦六座も難波神社に開場。2座が競ったことで、人形浄瑠璃は再び人気を博した。文楽座は640人を収容する日本で初めての文楽のための常設小屋であり、今の国立文楽劇場のもとになった。彦六座は明治26年(1893)に解散するが、御霊文楽座は唯一の人形浄瑠璃専門の劇場となったことから、人形浄瑠璃の代表的存在となる。大正15年(1926)に御霊文楽座は焼失、四ツ橋に移転することになる。御霊文楽は文楽200年の歴史の中でも最も華やかな時代を築き、大阪人の社交や商談の場として大いに栄えた。今も境内の片隅に「御霊文楽座跡」の石碑がある。

●ビルの谷間のオアシス
 文楽座の跡に儀式殿がつくられており、一般の人々が文楽・落語・日本舞踊などの発表の場として利用できるように提供し、大阪の伝統文化の向上につなげている。夏祭、初詣などはたいへんな賑わい。春は桜、秋はもみじといった四季折々の景色も楽しめる。

現在地からルート検索
ホームページ
https://www.goryojinja.jp/
所在地
〒541-0047 大阪市中央区淡路町4-4-3
交通機関
Osaka Metro(大阪メトロ)御堂筋線「淀屋橋駅」13番出口より徒歩5分
施設情報
●利用時間 6:00~17:30
●定休日 なし
●駐車場有り
●問い合わせ先 TEL:06-6231-5041 FAX:06-6231-6257
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
5 人中 5 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
火の王No.1/フィリップ・キング
御堂筋彫刻ストリート / 火の王No.1:E-8

フィリップ・キングは、イギリス現代彫刻の代表的作家の1人である。彼の作品の大きな特徴は、まるで舞台劇のような雄弁で激情的な動きと構成にある。この作品でも、彼の持ち味が十分に発揮されている。量感のある幾 …

イヴ/オーギュスト・ロダン
御堂筋彫刻ストリート / イヴ:W-7

 オーギュスト・ロダンは、「考える人」「カレーの市民」「バルザック」「地獄の門」などの彫刻で知られる近代彫刻の父である。この作品は、彼の最も充実した創作活動時期のもので、その身をよじるポーズといい、量 …

芝川ビル

●花嫁学校として活躍した近代ビル  芝川ビルは、関東大震災の後「火事、地震に強い建物を」との思いから、芝川又四郎(しばかわまたしろう)が建設した。又四郎は、江戸時代から続く商家の6代目で、不動産業を営 …

懐徳堂旧阯碑

●町人によってつくられた塾が誕生 享保9年(一七二四)、三宅石庵(みやけせきあん)と中井甃庵(なかいしゅうあん)を教授に迎え、5人の町人が出資して、町人のための私塾、懐徳堂を創設。教養としての学問では …

陽光の中で/佐藤敬助
御堂筋彫刻ストリート / 陽光の中で:E-6

 人は心満たされるとき、豊かな暖かさを醸し出すと同時に、私たちに安らぎを与えてくれるという佐藤敬助の思いが表現された作品である。 寄付者:株式会社アクセス(現 NCS&A株式会社)