●「咲くやこの花」のルーツ
仁徳(にんとく)天皇の即位を喜び、王仁(わに)博士が梅花にこの和歌をそえて奉ったと伝えられている。この故事にならい、高津宮では献梅祭が、2月11日に行われる。碑は明治32年(一八九九)の一五〇〇年祭に有志が建立。
浪速津に 咲くやこの花 冬ごもり
今は春へと 咲くやこの花 王仁
大阪市が大阪文化に貢献した人に贈る「咲くやこの花賞」や花博鶴見緑地公園にある「咲くやこの花館」は、古今和歌集に詠まれているこの和歌が由来だ。
王仁博士は、応神(おうじん)天皇に招かれて百済から日本に来た渡来人で、論語10巻と千字文1巻を携え、日本に漢字をもたらしたとされる。生没年不詳。陶工、冶工、瓦工など多くの技術者たちとともに渡来し、日本人に文字を教え、学問と人倫の基礎をたてた。
●近鉄線「上本町駅」