「日本橋の聖天さん」で親しまれている法案寺南坊は、2度移転した経緯がある。
最初は豊臣秀吉(とよとみひでよし)の頃、法円坂付近にあった寺は、大坂城築城のとき生國魂神社の社地に移った。「法円坂」の名は法案寺があったことに由来するともいわれている。
次の移転は明治11年(一八七八)。神仏分離令のため、生國魂神社を出て、現在の島之内に移った。寺院としての格は高く、摂津国八十八箇所の第一番の霊所だ。また、大阪七福神の弁財天が祀られていることでも知られている。
毎年1月1日から1週間のみ一般公開される「聖観音立像」は、大阪市内に残る数少ない平安時代後期につくられた木造の仏像で、国の重要文化財に指定されている。
● 近鉄線 近鉄日本橋駅
●入場料金 無料
●TEL : 06-6211-4585