●蛇とタタリが「クスノキ」を残す
谷町七丁目交差点を東に入ると、道路のど真ん中に木立が茂っている。茂みの中に注連縄(しめなわ)が張られた枯れた切り株がある。
この枯れた切り株を神木として、地元では「谷町のクスノキさん」、「楠玉社(くすたましゃ)」などと呼ばれ、祀られている。
神木はもともと、この場所にあった「クスノキ寺」とも呼ばれていた本照寺の境内に植えられていた。
昭和12年(1937)の道路拡張工事の際、本照寺は移転したが、クスノキには繁栄をもたらす蛇、巳(みい)さんが棲んでいるので「伐るとタタリが起こる」と畏れられたことから、道の真ん中にその姿を残すことになった。
残念ながらクスノキは数十年前に枯れてしまったが、今でも信仰の対象として大切にされている。
また、木立のある道筋は「楠木通り」と名づけられ、地域のシンボルとなっている。
楠木大明神
くすのきだいみょうじん
次の言語でも読めます: English
投稿日:2012/09/14 更新日:
所在地
中央区谷町7丁目
交通機関
●地下鉄谷町線/鶴見緑地線「谷町六丁目駅」
同じエリアにこんなスポットがあります!
近松門左衛門墓
●日本のシェークスピア 近松門左衛門は江戸中期の文人で、承応2年(一六五三)生まれ。『曽根崎心中』などの人形浄瑠璃の作者として知られている。享保9年(一七二四)没、享年72歳。「元禄期の三文人」とし …
中井一族墓所
●代々懐徳堂の教授を務めた学者一族 大坂の有力商人たちによって建てられた学問所、懐徳堂の初代学主・中井甃庵(なかいしゅうあん)や4代学主・竹山(ちくざん)、その弟・履軒(りけん)などの中井一族計30 …
小河博士頌徳碑
●救貧政策や福祉の充実に力を尽くす 小河滋次郎(しげじろう)は文久3年(一八六三)、長野県生まれ。監獄課長や典獄(刑務所長)の職に就く。服役囚の感化に努め、日本の監獄制度の基礎を確立した。大正2年( …
高津宮
●仁徳(にんとく)天皇を祀る神社 高津宮発祥の地は法円坂あたりといわれている。浪速の地を都と定め、大阪繁盛の基を築いた仁徳天皇を主神と仰ぐ神社である。平安初期、清和(せいわ)天皇が仁徳天皇の徳政を慕い …
井原西鶴墓
●2万3500句の伝説 井原西鶴は、寛永19年(一六四二)に大坂の豊かな商家に生まれた。浮世草子と呼ばれる近世文学のジャンルを築き、元禄6年(一六九三)死去。西鶴は浮世草子作家となる前には、俳諧をたし …