泊園書院跡

はくえんしょいん

次の言語でも読めます: English

投稿日:2017/03/13 更新日:

泊園書院跡

●大阪漢学の拠点
 儒学者・藤沢東畡(ふじさわとうがい)が文政8年(一八二五)、大坂に出て泊園書院を設立。当時、民衆に漢学を教えた私塾である。東畡の別号が「泊園」。「泊園」は利欲にとらわれないという意味である。
 東畡は6歳でたいていの漢字を読んだ秀才で、七絃琴の名手。風雅を愛し、泊園の名のとおりの生涯を送ったという。この精神は南岳(なんがく)、黄鵠(こうこく)、黄坡(こうは)と4代140年間守られた。
 現在、石碑が建つ場所に塾が移されたのは南岳の頃で、明治9年(一八七六)。
 南岳は一時、途絶えていた泊園書院を明治6年(一八七三)に再興。やがて最盛期を迎え、塾生は100名に達したという。江戸から続いた泊園書院は、昭和24年(一九四九)、黄坡の死により幕を閉じた。
 その間に蓄積された2万冊余の蔵書は、現在、関西大学に泊園文庫として保存されている。また一族から昭和の流行作家、藤沢桓夫(ふじさわたけお)や石濱恒夫(いしはまつねお)が出ている。

現在地からルート検索
所在地
大阪市中央区淡路町1-5
交通機関
●地下鉄堺筋線「北浜駅」
●地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本町駅」
●京阪電鉄「北浜駅」
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
5 人中 5 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
本町橋

●現存する市内で最も古い橋 東横堀川に橋が架けられたのは、天正13年(一五八五)。豊臣秀吉(とよとみひでよし)が大坂城築城に際して、東横堀川を外堀として開削した時だといわれている。江戸時代に入ると、軍 …

油掛地蔵尊

●日に50人はお参りに  約1300年前のものといわれる地蔵尊。『古事記』『日本書紀攝津名所図絵』にも記載されている。悪疫・火防の退散などのご利益があると慕われ、今も線香が絶えない。  地蔵を拝む際に …

アコーディオン弾き/オシップ・ザツキン
御堂筋彫刻ストリート / アコーディオン弾き:W-11

 オシップ・ザツキンは、ロシア出身で主にフランスで活躍したキュビスムの彫刻家であり、アフリカなどの土着美術に影響を受けた。この作品は、1924年に制作された同名の彫刻を1962年にリメイクしたものであ …

宇野浩二文学碑

●青年期を大阪で過ごした文学の鬼 作家。明治24年(一八九一)生まれ、昭和36年(一九六一)没。碑には『清二郎 夢見る子』の一節が刻まれている。「夢と詩があって人生であり、詩と夢があっての文学である」 …

坐摩神社
坐摩神社

●坐摩(いかすり)のいわれ  神社の歴史は古い。神功(じんぐう)皇后が朝鮮半島の新羅に遠征をして帰られた折、淀川南岸の渡辺の地(現・天満橋の西方)に、生井神(いくいのかみ)福井神(さくいのかみ)綱長井 …