●日に50人はお参りに
約1300年前のものといわれる地蔵尊。『古事記』『日本書紀攝津名所図絵』にも記載されている。悪疫・火防の退散などのご利益があると慕われ、今も線香が絶えない。
地蔵を拝む際に油をかける。油掛地蔵と呼ばれるゆえんだ。そもそもなぜ油をかけるのか。この地蔵を信仰していた遊女が、抱え主から折檻されて油を注がれたとき、この地蔵が身代わりになって助けてくれたからとする説や、石仏に墨をかけるなどして、石仏に災いを引き受けてもらう形代(かたしろ)信仰の油掛けバージョンという説もある。いずれにしても、地蔵に災いを引き受けてもらうという意味があるようだ。
黒光りする地蔵尊だが、長年の油で顔型は判然としない。現在は油をかけずにお祈りをする。
●地下鉄長堀鶴見緑地線「松屋町駅」