楠木大明神

くすのきだいみょうじん

次の言語でも読めます: English

投稿日:2012/09/14 更新日:

楠木大明神

●蛇とタタリが「クスノキ」を残す
 谷町七丁目交差点を東に入ると、道路のど真ん中に木立が茂っている。茂みの中に注連縄(しめなわ)が張られた枯れた切り株がある。
 この枯れた切り株を神木として、地元では「谷町のクスノキさん」、「楠玉社(くすたましゃ)」などと呼ばれ、祀られている。
 神木はもともと、この場所にあった「クスノキ寺」とも呼ばれていた本照寺の境内に植えられていた。
 昭和12年(1937)の道路拡張工事の際、本照寺は移転したが、クスノキには繁栄をもたらす蛇、巳(みい)さんが棲んでいるので「伐るとタタリが起こる」と畏れられたことから、道の真ん中にその姿を残すことになった。
 残念ながらクスノキは数十年前に枯れてしまったが、今でも信仰の対象として大切にされている。
 また、木立のある道筋は「楠木通り」と名づけられ、地域のシンボルとなっている。

現在地からルート検索
所在地
中央区谷町7丁目
交通機関
●地下鉄谷町線/鶴見緑地線「谷町六丁目駅」
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
15 人中 13 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
空堀商店街

 空堀商店街は明治時代からできはじめ、大正時代には、延命地蔵の縁日に当たる4の付く日の夜店が有名となりにぎわいました。戦後も、戦災を免れたことで商店が集まり発展をつづけています。  老舗、有名な飲食店 …

長谷川等伯筆 黄初平図(紙本墨画淡彩)

 日蓮宗寺院の久本寺に所藏される「黄初平図」は、市内の寺院に伝存するものとしては数少ない桃山時代にさかのぼる絵画である。  黄初平とは葛洪『神仙伝』に載る仙人の一人である。少年の頃、羊を牧していたが、 …

千利休居士顕彰碑

 豊臣時代、大坂城三の丸の地にあった玉造稲荷神社の南西に、千利休の屋敷があったと伝えられている。付近には良質の水脈が走り、お茶の水は邸内の井戸から酌まれていたという。15世・千宗室(せんそうしつ)の書 …

鉄格子歌墳

●本業をアレンジした、しゃれたペンネーム  鉄格子とは、江戸時代の狂歌師・鉄格子波丸(なみまる)。本業は鉄問屋。玄関の格子を当時めずらしい鉄にし、鉄格子波丸と号した。立売堀(いたちぼり)に店を構え、息 …

近松門左衛門墓

●日本のシェークスピア  近松門左衛門は江戸中期の文人で、承応2年(一六五三)生まれ。『曽根崎心中』などの人形浄瑠璃の作者として知られている。享保9年(一七二四)没、享年72歳。「元禄期の三文人」とし …