●仁徳(にんとく)天皇を祀る神社
高津宮発祥の地は法円坂あたりといわれている。浪速の地を都と定め、大阪繁盛の基を築いた仁徳天皇を主神と仰ぐ神社である。平安初期、清和(せいわ)天皇が仁徳天皇の徳政を慕い、難波高津宮旧跡の地に社殿を築いてお祀りしたのが始まり。豊臣秀吉(とよとみひでよし)が大坂城築城に際し現在の地に移したが、社殿は元和元年(一六一五)の元和の役で焼失。徳川家康(とくがわいえやす)によって復旧された。昭和20年(一九四五)3月、戦災で神輿庫一つを残し、再び社殿は焼失。昭和36年(一九六一)に氏子らによって再建された。
●浪速の風物詩 ― 大祭(夏祭)
高津宮の大祭は荘厳な祭りで、浪速の夏の風物詩になっている。7月17・18日には古伝に基づき、境内に自生する「ございば」(はすに似た葉)に「氷室」(氷)をそえてお供えする。この両日のみ、夏の邪気をはらう獅子頭のついた笹が授与される。また、黒門市場より子ども神輿もくりだされ、境内の仮設舞台ではさまざまな演芸が奉納される。露店が立ち並び、多くの人々で賑わう。
●道頓堀川の源流がここにあった?
表参道を入ってすぐ、石造りの「梅の橋」がある。江戸時代、この橋の下に「梅川」という川が流れていて、道頓堀川につながっていたといういい伝えがある。「梅ノ井」は梅川のほとりにあった名水で、上町台地の伏流水。『摂津名所図会大成』にもその名水ぶりが描かれている。現在の梅ノ井は、高津宮前の蓮光寺の境内にあったものを、井桁だけもってきたらしい。梅ノ井の碑は東町有志によって、明治32年(一八九九)に建てられた。
●TEL:06‐6762-1122 FAX:06-6762-4915
●飲食施設有