●逆境の中での刀剣づくり
天保7年(一八三六)生まれ。7歳から養父の貞吉(さだよし)につき、刀剣づくりの修行をする。貞一の特色は、月山流に各地の鍛刀技術を取り入れた点にある。幕末から明治にかけて刀の注文が減り、刀工はほとんどが転職していた状況での、注文主の要求に応える工夫でもあったようだ。明治9年(一八七六)廃刀令が下り、刀工は大打撃を受ける。それでも貞一は精進を続け、明治天皇の佩刀(はいとう・腰に帯びる刀)や伊勢神宮の宝刀を鍛えている。明治39年(一九〇六)、帝室技芸員(のちの人間国宝などの制度につながる)に任命される。刀工としては最初の名誉である。大坂新刀といわれる優美華麗さを全国に広めた。大正7年(一九一八)没。一門は、現在なお各地で技術を伝えている。
月山貞一旧居跡
がっさんさだいちきゅうきょあと
次の言語でも読めます: English
投稿日:
所在地
大阪市中央区鎗屋町1-2
交通機関
地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」
同じエリアにこんなスポットがあります!
-
大阪城
●13の重要文化財 豊臣秀吉(とよとみひでよし)がつくった大坂城は、豊臣家の滅亡とともに失われ、現在残っているのは徳川時代になって再建されたものである。敷地内の建築物は櫓5つ、塀3つ、城門2つ、蔵2つ …
-
大坂町中時報鐘
●今も現役の釣鐘 天満橋近くに釣鐘屋敷があった。釣鐘は重さ3トン、高さ1・9m。寛永11年(一六三四)、江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が大坂城を訪れた際に、大坂三郷の地子銀(じしぎん …
-
大阪城ホール
●城郭の隣に控える大ホール 「大阪築城400年まつり」のメインイベント会場として、昭和58年(一九八三)に建設された、多目的アリーナ。年末の風物詩「一万人の第九コンサート」など、さまざまなイベントが開 …
-
大阪英語学校跡
●大阪初の外国語学校 明治維新後、大阪では舎密(せいみ)局に始まった洋学校と理学校が合併し、大阪開成所が開校した。洋学教育の最先端校である。開成所は第四(のちに第三)大学区第一番中学、第三大学区開明学 …
-
亀井水碑
●聖徳太子(しょうとくたいし)命名の井戸 聖徳太子が命名したと伝えられている「亀井水」の碑が、鵲森宮の境内に建てられている。もとは、JR森ノ宮駅付近にあったらしく、古代には温泉が湧き上がっていたとい …