大坂町中時報鐘

おおさかまちじゅうじほうしょう

次の言語でも読めます: English

投稿日:

大坂町中時報鐘

●今も現役の釣鐘
 天満橋近くに釣鐘屋敷があった。釣鐘は重さ3トン、高さ1・9m。寛永11年(一六三四)、江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が大坂城を訪れた際に、大坂三郷の地子銀(じしぎん・固定資産税)を永久に免除することを約束。これに感謝した町民が釣鐘を鋳造し、釣鐘屋敷を建てた。
 釣鐘は1日に12回鳴らされ、時報の役割を果たしていた。近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の浄瑠璃『曽根崎心中』に出てくる「暁の鐘」は、この鐘のことである。現在の天満橋から梅田あたりまで鐘の音が聞こえたという。
 明治3年(一八七〇)、鐘楼は撤去され、釣鐘はその役割を終える。釣鐘は長光寺、府立博物場を経て、大正15年(一九二六)より大阪府庁屋上に保存されていたが、昭和60年(一九八五)、今の地へ再び戻された。鐘楼も新たに斬新なデザインのものがつくられた。
 「釣鐘町」の町名はこの釣鐘が由来。
 釣鐘は370年以上経った今も現役。1日3回、鐘の音で時を報せている。大阪府の指定文化財。

現在地からルート検索
所在地
大阪市中央区釣鐘町2-2
交通機関
●地下鉄谷町線「天満橋駅」
●京阪電鉄「天満橋駅」
この記事は役に立ちましたか?
役に立った 役に立たなかった
65 人中 17 人がこの 記事 は役に立ったと言っています。
同じエリアにこんなスポットがあります!
城中焼亡埋骨墳

●大坂城で命を落とした兵を弔う  大阪城玉造門の南側にある。明治元年(一八六八)戊辰戦争のとき、燃える大坂城から逃げ出さずに自害した幕府軍の兵士をたたえて、薩摩・長州藩が共同で建てた。

榎木大明神
玉造稲荷社 榎木大明神

●白蛇が住みつき、神の木に 玉造稲荷神社正門の真正面、道路の真ん中に立っている。 「白光大神(しらみつおおかみ)」と書かれた祠(ほこら)がそばにある。 「白光」は庶民に信仰されている「白蛇」を指してい …

月山貞一旧居跡

●逆境の中での刀剣づくり  天保7年(一八三六)生まれ。7歳から養父の貞吉(さだよし)につき、刀剣づくりの修行をする。貞一の特色は、月山流に各地の鍛刀技術を取り入れた点にある。幕末から明治にかけて刀の …

阿波野青畝句碑

●敬虔なカトリック教徒の顔をもつ 奈良県生まれの俳人。「ホトトギス」の同人で あった原田浜人(はらだひんじん)に師事した。「天 の虹 仰ぎて右近 こゝにあり」。教会の高山右近(たかやまうこん)像を詠ん …

安井家文書

 安井家は、河内国渋川郡久宝寺村を本貫とする土豪であった。元和元年(1615)の大坂の陣で中断していた道頓堀川の開削を、平野藤次とともに完成させ、以後、日本橋北詰の宗右衛門町に屋敷を構えて、代々大坂三 …