新井ビル
あらいびる
投稿日:2020/03/06 更新日:
●堺筋がみていた大正モダン
大正11年(一九二二)、造幣博物館や神戸地方裁判所などで有名な河合浩蔵(かわいこうぞう)の設計。大日本報徳銀行大阪支店として建てられたが、のち新井証券を経て新井ビルとなる。名建築として小さいながら、堺筋沿いに存在感を示している。
外観は完全な左右対称で古典様式をベースにしているが、当時の最新のデザインを取り入れるなど、新しい時代感覚を示している。
戦時中の金属供出でエレベーターを失い、それにまとわりつくように付けられていた階段のみが残る。2階は吹き抜けで、3・4階は廊下が広く、天井も高いつくりになっている。
ホームページ
所在地
大阪市中央区今橋2丁目1番1号
交通機関
●Osaka Metro(大阪メトロ)堺筋線「北浜」駅
●京阪電鉄「北浜」駅
同じエリアにこんなスポットがあります!
-
●緑の屋根に赤いレンガの館 明治45 年(一九一二)、株仲買商の商館として建設される。戦後は建築資材専門商社「桂隆産業」の本社として使用されていた。 北浜を賑わした時は去り、長年眠ったように、放置 …
-
●蔦(つた)に覆われたレトロビル 堺筋から伏見町を西へ入ると、甲子園球場から株分けされた蔦で覆われたビルが建っている。このスペイン調のビルは、大正10年(一九二一)、輸入食料品店などの経営者だった野 …
-
●東京より先にあった大坂の銀座 銀座とは、江戸幕府の銀貨の鋳造・発行所のことである。慶長6年(一六〇一)、徳川家康(とくがわいえやす)が京・伏見で、堺の銀商・大黒常是(だいこくじょうぜ)に鋳造させたこ …
-
●日本で唯一の蘭学塾の遺構 激しい空襲のあった大阪で、築後200年以上の姿をとどめる町家。適塾は、江戸末期の天保9年(一八三八)、緒方洪庵(おがたこうあん)が開いた私塾である。1階は、医学者・教育者と …
-
●「神農さん」と呼ばれるわけは 大阪・船場の道修町(どしょうまち)にある少彦名神社は、「神農(しんのう)さん」とも呼ばれ、親しまれている。江戸時代、薬種商は、中国医薬の祖とされる神農氏の像や掛軸を床の …